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Chemist JOTARO  中崎城太郎の研究課題
概要 ペロブスカイト太陽電池 色素増感太陽電池 直交型ポルフィリンアレイ 有機磁性導体
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ポルフィリン多量体を用いた色素増感太陽電池

低コスト化が可能な次世代太陽電池として有機系太陽電池に対する期待が高まっています。なかでも色素増感太陽電池は付加価値も期待され、実用化が近づいています。

 再生可能エネルギーの利用拡大に向けて、日本では太陽光発電に大きな期待が寄せられている。その導入拡大には、太陽電池の低価格化と高生産性製造プロセスが不可欠であるが、現在主に普及しているシリコン系太陽電池では、原料の高純度シリコンの低価格化や増産に限界があり、製造工程も複雑なため、こうした期待に応えることは難しい。このため、主要な部材の一部に有機材料を用いる色素増感太陽電池や有機薄膜太陽電池などの有機系太陽電池が次世代低コスト太陽電池として注目を集めている。有機系太陽電池は、低コスト材料の利用や製造工程の簡便化が可能であり、一部の用途では商用化も間近とみられる。また、種々の色素等を用いて多様な色調の太陽電池を作ることができるなど、高い意匠性を発揮してこれまでの太陽電池には見られなかった用途の開拓も期待される。しかしながら、これらの太陽電池が一般用として普及するためには、光電変換効率のさらなる向上が不可欠である。
 有機系太陽電池の中でも色素増感太陽電池は、光電変換効率の点で先行している。近年報告されている色素増感太陽電池の多くは、スイスのグレッツェルらによって報告されたセル構成を元にしており、透明導電電極上に酸化チタンナノ粒子を焼結させたものに色素を吸着させ、対極との間にヨウ素レドックスを主体とする電解質溶液を挟んだ構造となっている。文献上では光電変換効率11.2%が最高値となっているが、学会等では12%を越える高い効率も報告されている。この色素増感太陽電池の光電変換効率向上を目指す上で着目すべき点は、その光吸収波長域である。既報の色素増感太陽電池の中で高い光電変換効率を示している色素、例えばルテニウム錯体色素N719などは近赤外領域に吸収をもたず、波長800nmを超えるような光を十分には利用できない。太陽光には近赤外域の光子が多く含まれるため、これらを利用できるようになれば光電変換効率の大幅な向上が期待できる。最近、複数の研究者が色素の光吸収領域の拡張に注力するようになったが、まだ有効な方法は確立していない。
 (「光化学」2010年(41巻) 15-18 掲載総説の序論より)

このような背景から、ポルフィリン誘導体を中心に、種々の近赤外吸収色素を開発しました。


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