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■Chemist JOTARO 中崎城太郎の研究課題
今日の情報化社会を支えている半導体デバイスは、これまで急速に微細化・集積化が進められ、30ナノメートル細線の回路なども作られるようになっています。しかし、こうした微細加工には限界があり、さらなる集積化を進めるためには分子そのものをデバイスとして用いることが必要になると言われてきました。単一分子デバイスを実現するにはまだ多くの課題があり、これらを解決しなければなりません。 大学院生からポスドク時にかけて在籍した研究室では、磁性・導電性を併せ持つ「有機磁性導体」の開発を行なってきました。有機分子からなる有機物質は、一般的には磁性や導電性と縁がないのですが、一部の物質は電気を通したり、磁性を示したりします。こうした材料に着目し、新たな機能の発現を目指して物質開発と物性計測を進めました。 その後、ポルフィリンという分子に着目して研究を進めました。ポルフィリンは、赤血球の血色素ヘムや、葉緑体の緑色素クロロフィルなどの類縁体で、光機能性材料として注目を集めています。ここに電子の持つスピンという要素を組み込んでやれば、光・電子・磁気機能分子素子として働くと期待し、その舞台として「直交型ポルフィリンアレイ」における直交πラジカルのスピン整列の研究を行いました。
近年では低炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの利用拡大が進められています。国内では特に太陽光発電の導入が急速に進められていますが、普及拡大に伴って、コストが高いことや、設置に適した場所に限りがあることが課題となってきました。有機系太陽電池は材料の自由度が高く、安価な材料を選べる上、製造設備も簡素であり、製造に要するエネルギーも小さくて済むことから、低コスト太陽電池の本命とされています。有機系太陽電池の中でも色素増感太陽電池は可視光領域で比較的高い量子効率を示すものの、近赤外光を活用できていなかったため、長波長光吸収色素を開発することによる高効率化を目指しました。特にポルフィリン系色素に着目し、ポルフィリンユニットを連結した「ポルフィリン多量体を用いた色素増感太陽電池」の開発を行いました。 色素増感太陽電池の研究が進められる中で見いだされたのが「ペロブスカイト太陽電池」です。ペロブスカイト太陽電池は、次世代太陽電池の本命として、世界各国で開発が進められています。
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