このETBNのドナーとしての性質を調べました。ETBNはサイクリックボルタンメトリーで3つの酸化還元波を示しました。母骨格であるエチレンジチオ・ベンゾTTFと比べてみますと、第一酸化電位は、大体同じぐらいであるということが分かります。また、フェニルNNの酸化電位は0.85Vですので、2波目か3波目がこれに対応し、また、このドナーの2波目に対応すると考えられます。すなわち、最初の酸化ではドナーのほうから電子が抜けて、カチオンジラジカルとなると考えられます。ここで、この形が比較的可逆性がいいことから、比較的安定なカチオンジラジカルになっていると期待されます。