このETBNの中性結晶の磁化率をSQUIDで測定してみましたところ、このように低温でχT値が上昇する挙動を示しました。この挙動は、キュリーワイス則で、正のワイス温度約0.5Kを用いてフィッティングされ、分子間に強磁性的な相互作用が働いていることが分かりました。この理由ですが、結晶構造をよく見てみますと、このようにニトロニルニトロキシドのN-Oとメチル基が近い関係にあるところがこのように見られます。このメチル基には、スピン分極によりN-Oの部分と逆向きのスピンが誘起されており、ここに隣の分子のN-Oが近づいていることで、これらのN-O上のスピンが同じ向きにそろっているのだと考えられます。