こういう縮退した軌道を持つ高スピン分子を用いて磁性導体を実現しようという試みもあります。こういう状況を考えればいいわけですが、実際には、こういう縮退した軌道というのはヤーンテラー変形に弱く、ヤーンテラー変形によって閉殻の状態に落ち込んでしまいがちです。このため、磁性導体を目指す上では、縮退していない軌道を用いて、なおかつスピン整列を実現するような工夫が必要です。