分子内でのスピン整列を行う上で、最も有効だと考えられるのが、交差共役系です。ここにトリメチレンメタンという分子を挙げましたが、こういう分子では、縮退した軌道が形成されており、これらが空間共有型の分子軌道となっているため、有効な交換相互作用が働き、二つのスピンの向きが揃った状態となります。一般に、これまで高スピン分子として知られているものの多くは、このように縮退した軌道を持っており、そこにスピンが平行に入った状態となっています。