この塩では、各ラジカル部位のスピンは保たれているいますが、このようなバンドギャップがあり、ドナー上のスピンは、このバンドの中で消滅している状態だと考えられます。このドナーラジカルの酸化種はtripletになるはずですが、この場合、ドナー上にスピンが立っていないため、磁化率測定の上では、S=1/2のものしか観測されなかったのだと考えられます。なお、このバンドギャップを縮めることができれば、このように伝導バンドに分極が生じすべてのスピンが揃う強磁性金属の状態になる可能性も期待できます。