実際にこのETBNをTHF溶液中、ヨウ素で酸化し、低温剛性溶媒中でESR測定を行いましたところ、このように三重項のシグナルが観測されました。このETBNは、分子の平面性を反映して集合化しやすく、孤立した三重項のカチオンジラジカルを観測することがなかなかできなかったのですが、一応、このようになっています。このシグナル強度を温度の逆数に対してプロットしますと、大体比例する関係になっており、この三重項が基底状態であると考えられます。